
お疲れ様です、笹谷(ささや)です。
建設・リフォーム業界で求人募集を行う際には、様々な法令を遵守する必要があります。
これを知らずに求人を出してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能があるので、まずは記載NG事項について知っておきましょう。
これから、職業安定法、男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法などに基づき、記載してはいけない事項を詳しく解説します。
目次
求人票に記載NG事項
求人に記載してはいけないことは、以下の5つです。
1. 年齢・性別に関する記載NG事項
年齢制限の禁止
労働施策総合推進法により、年齢を理由とした募集・採用の制限は原則として禁止されています。
NG
- 「35歳まで」「40歳以下」などの年齢上限
- 「若い方歓迎」「若手スタッフ募集」
- 「20代・30代活躍中」(年齢を限定する意図がある場合)
OK
- 「未経験者歓迎」
- 「幅広い年代のスタッフが活躍中」
- 「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、30歳以下の方を募集」(例外事由を明記した場合)
性別による制限の禁止
男女雇用機会均等法により、性別を理由に募集や採用の対象を制限することは禁止されています。
NG
- 「男性のみ」「男性希望」
- 「体力のある男性」
- 「力仕事なので男性向き」
OK
- 「女性も活躍中」
- 「性別不問」
- 「体力に自信のある方歓迎」
2. 労働条件に関する記載NG事項
最低賃金法違反
最低賃金法に基づき、都道府県ごとに定められた最低賃金額を下回る求人は違法です。建設業には産業別最低賃金が適用される場合もあります。
NG
- 最低賃金を下回る時給・日給の提示
- 「完全歩合制(最低保証なし)」
- 「研修期間は無給」
OK
- 「日給12,000円〜18,000円(能力・経験による)」
- 「月給250,000円〜400,000円」
- 「研修期間中も日給10,000円を保証」
労働時間・残業代の不明瞭な表記
職業安定法により、労働時間や残業代について明確に表示する必要があります。
NG
- 「残業代なし」
- 「みなし残業」(具体的な時間数や金額の内訳が不明)
- 「労働時間は現場による」(具体的な範囲を示さない)
OK
- 「実働8時間、休憩1時間」
- 「月給280,000円(固定残業代30時間分50,000円含む、超過分別途支給)」
- 「残業は月平均20時間程度、残業代全額支給」
社会保険の未加入
NG
- 「労災保険未加入」
- 「保険は自己負担で」
- 「国民健康保険でお願いします」(正規雇用の場合)
OK
- 「各種社会保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)」
- 「建設業退職金共済加入」
3. 危険・違法な業務内容
安全装備・資格に関する不適切な記載
NG
- 「安全装備は自前で用意」(合理的範囲を超える場合)
- 「無資格でも重機操作できます」
- 「資格なしでも足場組立可能」
- 「アスベスト除去作業(資格不要)」
OK
- 「安全装備・工具は会社支給」
- 「玉掛け技能講習修了者優遇」
- 「足場の組立て等作業主任者資格保持者歓迎」
- 「資格取得支援制度あり(費用会社負担)」
4. 誤解を招く表現・虚偽の情報
非現実的な収入保証
職業安定法により、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示は禁止されています。
NG
- 「未経験でも初月から月収50万円確実」
- 「誰でも簡単に高収入」
- 「1年で年収1000万円達成者続出」(根拠がない場合)
OK
- 「平均月収35万円(経験3年以上のスタッフ実績)」
- 「能力・実績に応じて昇給あり」
- 「月収例:入社1年目 28万円、3年目 38万円、5年目 48万円」
雇用形態の不明瞭な表記
NG
- 実際は日雇いなのに「正社員」と表記
- 実態は業務委託なのに「社員募集」
- 「独立支援」と謳いながら実態はマルチ商法的な勧誘
OK
- 「正社員」「契約社員」「アルバイト・パート」を明確に区別
- 「業務委託(個人事業主として契約)」と明記
- 「将来の独立を支援(のれん分け制度あり)」と具体的に説明
5. 不当な条件・ペナルティ
NG
- 「ミスをしたら罰金」
- 「工具・車両の購入必須(高額な初期費用)」
- 「損害が出た場合は給与から天引き」
- 「退職時は違約金を請求」
OK
- 「工具・安全装備は会社が貸与」
- 「社用車あり(要普通免許)」
- 「過失による損害は労災保険でカバー」
必須記載事項について(職業安定法)
厚生労働省の指針により、以下の事項は必ず明示する必要があります。
- 募集主の氏名/名称
- 募集主の住所/連絡先
- 業務内容
- 就業場所
- 賃金(基本給、手当、賞与等の内訳)
- 労働時間
- 雇用形態(正社員、契約社員、パート等)
参考資料・情報源
厚生労働省関連
まとめ
建設・リフォーム業界での求人募集では、以下の点に特に注意が必要です:
- 差別的表現の排除:年齢、性別、その他の属性による制限を記載しない
- 労働条件の明確化:給与、労働時間、社会保険について具体的かつ正確に記載
- 安全面への配慮:必要な資格や安全装備について適切に明記
- 誠実な情報提供:虚偽や誤解を招く表現を避け、実態に即した情報を提供
- 法令遵守:職業安定法、労働基準法などの関連法令を遵守
適切な求人募集を行うことで、優秀な人材の確保につながるだけでなく、会社の信頼にもつながります。